S-1グランプリ

競技会「S-1グランプリ2017」を開催しました!

競技会
「S-1グランプリ2017」
を開催しました!

「S-1グランプリ」は製罐技術を競う大会である。
製罐作業を通じ、部品メーカーとして感じることとは違う
ものづくりの楽しさ、素晴らしさを感じることを目的とした競技会である。

S-1グランプリ2017
日程

2017年8月1日 告示
2017年8月末日 参加募集締切
2018年3月1日 結果発表・表彰

内容

リザーブタンク
最高使用圧力 1.4MPa/タンク容量 400L
第2種圧力容器の適用を受けるリザーブタンクの設計・製作

ポスター

社長挨拶

お客様にご満足いただける
製品造りのために
社内 ”S-1グランプリ” を
開催

私達の主力商品でもある鏡板を愛用してくださっているお客様はタンクメーカーの方も多くいらっしゃいます。今回、お客様の気持ちになってタンクを造ってみようと提案し、社内ではじめて“S-1グランプリ”を開催しました。自分達がタンクを造ってみることで、お客様が求める精度、品質がはじめて見えてくるのではないかと思ったのが発端です。

林 孝彦 社長
林 孝彦 社長

その思いに応えて、たくさんの社員が参加してくれ、最終的に8チームでの勝負となりました。仕事もこなしながら、時間外や休日に出てきて和気藹々と取り組んでいる姿は素晴らしかった。採点は減点方式。デザイン性、商品価値、出来映え、決算報告などから総合的に評価していったのですが、どのチームも驚くほどの出来映えで、とても感動しました。

普段あまり話したことのない社員同士コミュニケーションがとれるようになり、団結力が高まったことも会社としては嬉しい変化だと感じています。

これからも北海鉄工所は、技術の専門性をさらに生かす取り組みに挑戦し、お客様にご満足いただける製品作りを社員一丸となって目指していきます。

 チーム代表座談会 
〜競技を終えて〜

「『お客様の立場に立って
物づくりを』
という言葉を
頭では理解していたのですが、
今回の大会で
実体験できました。」

チーム代表座談会の様子

司会:S-1グランプリ2017、お疲れ様でした。自己紹介をお願いします。
明賀:ガラクタ工業(株)の明賀です。図面や溶接を得意とするメンバーがいて、チーム内のバランスはとてもよかったです。
新見:(株)たまごの新見です。
北野:チーム名は(株)ボンバーヘッドです。通常の業務と並行しての作業だったので、時間管理や段取りには神経を使いました。
:(株)石谷ボイラーです。
山崎:(株)YAMASAKIです。
中村:中村製作所の中村です。社内のグランプリでいつも優勝されている方やプレスのチーフなどが所属して、かなり優秀なメンバー構成だったと思います。

司会:実際出来上がったものを見てどうでしたか?
明賀:作業時間をかなり意識したこともあり、3位以内には絶対入っていると思いました。結局5位だったんですけどね。
新見:図面と実際の組立のギャップがかなりありました。ちゃんとイメージ出来ていなかったのが6位という結果になってしまったのだと思います。
北野:タンクの材料が決まらず大変でした。やるからには優勝をという思いで、出来映えにはベストを尽くしました。
:どこまで追求して手直しをするかといった、作業時間がネックになりました。時間さえあればもっとうまく出来たという思いはあります。
山崎:部品もかなり減らしてコストにこだわりました。4位だったのですが、3位と4位の差は大きかったです。
中村:チームメンバーの意見を取り入れすぎて、コストがかなりかかってしまいました。僕がキッチリとりまとめできなかったのが、反省点です。

司会:今回のS-1グランプリで学んだことは?
明賀:お客様に使っていただくには品質が一番大切なのだなと実感しました。普段は突き合わせ溶接ばかりしているのですが、角を狙って溶接する“すみ肉溶接”の技術をあげていきたいと思います。
新見:普段は溶接の仕事で一人もくもくと作業をしているのですが、今回コミュニケーションを取ることの大切さを学びました。たくさんの意見が出て、話し合ったからこそいい物ができたと思っています。
北野:社内でよく言われる『お客様の立場に立って物づくりを』という言葉を頭では理解していたのですが、今回の大会で実体験できました。これまでは挨拶ぐらいしか交わさなかった方とコミュニケーションが深まったのもよかったです。安全に終わりはなくて、ずっと継続していかなくてはと初心に戻ることもできました。
:お互いが得意な分野で力を出していくことや時間管理の大切さを痛感しました。また、今回はじめてお客様目線で商品を見ることができ、傷や製品の取り扱いなどもっと十分注意しなければと改めて思いました。

座談会後のチーム代表6名と林社長(後列左端)、十川主任(後列右端)
座談会後のチーム代表6名と林社長(後列左端)、十川主任(後列右端)

優勝チームにインタビュー

優勝チーム

優勝は (株)石谷ボイラー

限られた時間の中で
細部にもこだわりました。

(株)石谷ボイラー:東浩之

優勝したときは、本当に嬉しかったです。他のチームになかった横向きタンクにしたのが勝因かなと個人的には思っています。通常はグラインダーで仕上げるところをペーパー加工にするなど、塗装部分にもこだわりました。

時間も審査に入っていたので、限られた時間の中でいかにいいものを造るかが悩みどころでした。もっと時間をかければ、もう少しいいものが出来たのではないかと思います。通常は購買部が行っている材料の発注もチーム内で行い、原価精算書や実際にかかった時間、コストなども提出しました。参加していない社員も、『あなたはどのチームを応援しますか?』と応募用紙に記載してもらい、優勝チームを応援した人にはプレゼントがもらえる仕組みだったので応援もかなり盛り上がり、僕たちも力をもらいましたね。

今回のチームは団結力が抜群でした。役割分担がきちんと出来ていて、工程管理もそれぞれがしっかり守っていました。次回は要領が分かったので、もっとスムーズに取り組めるのではないかと思っています。

インタビューの様子
(写真左上)作業中の社長:石谷瑞樹
(写真右上)横から見た「石谷ボイラー」のタンク
(写真下)インタビューに応じる東浩之

審査結果

優勝 (株)石谷ボイラー

社長:石谷瑞樹 / 佐久間正 / 白井孝治 / 東浩之

優勝 (株)石谷ボイラー
準優勝 TASHIMA TANK Co., Ltd.

社長:TASHIMA SHOUHEI / 松元優斗 / 小崎史哉 / 東幸紀

準優勝 TASHIMA TANK Co., Ltd.
3位 (株)ボンバーヘッド

社長:北野洋平 / 近江勇哉 / 蔵聖輝 / 金山泰典

3位 (株)ボンバーヘッド
4位 (株)YAMASAKI

社長:山崎智史 / 鎌野哲也 / 吉田貴裕 / 堀本和志 / 松尾直善

4位 (株)YAMASAKI
5位 ガラクタ工業(株)

社長:明賀勉 / 金銅篤史 / 石井雅和 / 大塚直樹

5位 ガラクタ工業(株)
6位 (株)たまご

社長新見拓真 / 前田裕之 / 門田寛次 / 薬師神拓哉

6位 (株)たまご
7位 (株)中村製作所

社長:中村佳弘 / 高橋勝徳 / 濱崎翔史 / 南川貴宏

7位 (株)中村製作所
8位 (株)カルテッド

社長:阪井芳弘 / 河合真嗣 / 山川圭史 / 実広正満

8位 (株)カルテッド

事務局より

使命感を持ち
それぞれが創意工夫をしたことに
意義を感じる

S-1グランプリ開催について

S-1グランプリ開催の目的は、お客様の視点に立ったものづくりと、ものづくりの楽しさを、改めて社員に感じてもらうことです。 社長から耐圧試験を含めた企画をとの打診がありこのプロジェクトがスタートしました。当初は生前の会長の想いであったハンマーでの鏡板づくりを実現したかったようですが、時代にあわないためこの方法を選択することにしたとのことです。

事務局風景
開催にあたり注力したこと

一番苦労したことが実施要領の作成で、真剣勝負で、公平性を保った内容になるように心掛けました。様々な意見を取り入れると収拾がつかなくなるため、川野課長が主導で作成しました。作成したときは具体性を欠く状態であったため、想定される質問を準備することにしました。

実施要領は参加する人の力量や、チーム毎の特色が出るようにあえて細かい条件を指定しませんでした。図面を渡してしまうと、作成される作品が均一になってしまい面白味がなくなってしまうためです。

事務局の川野課長
事務局の川野課長

チーム分けに関しては、チームでの応募と、個人での応募の二案がありましたが、最終的に後者を選択しました。理由はチームでの募集にすると、参加者が少なくなることを懸念したためです。チーム編成はバランスを重視し、実行委員会でチームを分けました。

会社形式にした理由は、ストーリーを用意し参加者が入り込みやすくするための工夫です。北海鉄工所(林孝彦)が各社(チーム)に圧力タンクを発注したというストーリーにすることで、各チームで役割(社長など)を振り分けることになり決断力や団結力を向上させる狙いがありました。

開催中に注力した事項

参加者のわからないことに公平に答えることに苦心していましたが、問い合わせ票を活用することで解決しました。質問を口頭ではなく、専用の用紙で受け付けることで、類似の質問を受ける手間をなくしました。回答は掲示板に貼りだすことで、共通の認識を各チームに与えることができるため、均一に回答できるようになりました。

真剣勝負であるため、要領を満たさなければ失格させることを厭わないスタンスで臨んでいました。会社形式にしたことによって、コミュニケーションも年代や普段の役職、部署を超えて行われていたように感じます。開催中は各チームの特色や個人の能力に驚かされる場面が多々ありました。リーダーシップを発揮する者、普段していない作業に取り組む者など普段の業務とは違う側面に驚きました。各チームで着眼点が違うため、様々なアプローチで臨んでいましたが、それぞれがこだわりを持っていることは感じられました。

評価は一次審査、二次審査、三次審査の合計点で競われました。一次審査では設計の正確性、二次審査は耐圧試験、三次審査はデザイン、商品価値、決算報告(コスト)の観点から実行委員が評価を付けました。

事務局の十川主任
事務局の十川主任
競技を終えて

それぞれが通常業務を抱えている中で、限られた時間を有効活用し良い作品ができたと感じています。特に業務を離れてチームで取り組んでいるときは普段とは異なるいきいきとした表情をしているように見えました。使命感を持ちそれぞれが創意工夫をしたことに意義を感じています。

競技を終えて集合写真