一覧へ一覧へ技術インタビュー

2. 金型の製作

岡田恵司
北海鉄工所 エンジニアリング部

鏡板のプレスになくてはならない金型の製作に長年携わっているエンジニアリング部の岡田氏に、金型についてお聞きしました。

岡田さんはこれまでどういう仕事をされてきたのですか?

最初はプレスの現場を2年間やりました。その後は鏡板を作るための金型の製造部署に移動し、そこで約40年間ずっと金型に関わってきました。当初は金型の保守、修理などをやっていたんですけども、いかんせん傷むのがひどくて、金型の材質のほうからの見直しをしなければならない状態でした。

当時の上司である郡部長とその後輩でつながりのあった久保田鉄工さんにも協力していただき、鋳物の材質、加工の成形方法などをいろいろ工夫し見直しを進めていきました。何度も何度も試行錯誤を繰り返した後、やっと硬度を上げて長持ちする金型を作れるようになりました。

私は、その後1995年から約3年間、中国工場の立ち上げで、設計と現地での金型の調達や製造に携わりました。現地でもやはり金型の精度を改善していくことが大きな課題で、そのことに力を注いできました。

その後、時は経過しましたが現在もなお、金型の材質についての取り組みは続いており、今では以前に比べるとより精度の高い金型が作れるようになっています。

金型にはどのような
サイズがあるのですか?

鏡板ではJIS規格品というのが大半なんですけども、北海鉄工所ではそういったJISで決められた板の全種類全サイズの金型を揃えています。

中間サイズと言いますか標準でないものについては、ローラーでゴロゴロ回しながら作っていくスピニングと言う方式で作ります。内部ローラーと外部ローラーの二つを回して、ろくろみたいなやつです。

工場内に並べられている金型

金型を作る上で難しい部分は
どんなところですか?

そうですね、やはり常に材質と形状を考え基準をしっかり作っていくことです。金型の設計の基準というのは昔の方が作られたものを踏襲していますが、そこには代々のいろいろな形状の引き継ぎや素材の調整など、様々な試行錯誤があった上で、現在の金型の基準が出来上がっています。その基準をもとに、また若い人たちがさらに新たな基準を正確に作っていくことだと思います。

今はステンレス製品の需要が高まっていますので傷のいかないような材質の検討なども求められています。

金型の重要性について教えて下さい

そうですね。金型がへたってくると、鏡板の寸法が規格から外れてしまったり、ステンレスでしたら傷が入ったりとか。それから鏡板には、まっすぐなフランジというところがあるんですけども、そこが「ビシッ!」と決まらなかったりなど、いろいろ影響が出てきます。
ですから、プレス加工で良い製品を作るのに一番大事なのは、やはり金型だと思います。

プレス機に取り付けられた状態の金型

良い金型を作るってことは永遠のテーマですね。

はい、今もずっと後任の方が、この金型製造の技術を引き継いでやっておられます。お客さまはやっぱり良いものがあればさらに上のものを要求されてきますので、私たちはそこで立ち止まることなく、どんどん変革しながら新しく良いものを作っていかなければいけないと思っています。

「プレス加工で良い製品を作るのに一番大事なのは、やはり金型だと思います。」
岡田恵司