一覧へ一覧へ技術インタビュー

1. 特殊成型品やモニュメント製作における加工技術

中村佳弘
北海鉄工所 製造部
 切断・分割プレスグループ 切断チーム

特殊成形品やモニュメント製作に長く携わっている製造部の中村氏に、金属加工技術についてお聞きしました。

製品を製作する上で大変なところはどういう
ところですか?

鏡板、ダム、水門関係成形品、タービン送風機関係成形品、船舶関係成形品、特殊形状成形品、モニュメント、鉄道車両用台車等のいろいろな製品の金型展開や原寸展開、罫書きに携わって来ました。

モニュメントでは、作家さんが創られた模型を元に原寸をおこすことがありますが、金型成形による加工ではコストが掛かるので、折り曲げ加工や皿押し加工でより模型の形状に近づけれるように工夫や努力をすることもあります。

神戸の鉄人28号では、高さ30センチのミニチュア模型を50倍の15メートルでつくりたいと言うことでした。1ミリの誤差が実物では50ミリの誤差になるので、慎重に模型の計測をしました。

また、230もの表面パーツと内部構造から出来ていて、パーツの加工方法の検討に苦労したり、展開も数が多く大変でしたがやりがいがありました。

KOBE鉄人28号の工事の様子

「KOBE鉄人PROJECT2010」のページはこちら >>

Y分岐

今までの製品の中で
苦労したものは?

展開で今まで大変だったのが断面が変化していくもので、金型成形が必要な製品(泉大津駅前 羊の角モニュメント、T分岐、角ベルマウス等)で金型設計、原寸展開は大変でした。

その後、3D CADが導入されてからは、大変さでいうと軽減されました。

やはり「曲げる」という加工は難しいのでしょうか?

鉄道車両用台車では、鋳物の金型を使用することが多く、熱間加工の一発押しなので、金型の設計次第です。しかし、特殊形状成形品では、リブ構造の金型を使用することが多く、荒押ししてから送り押しするので、加工する職人の経験や勘による部分もあり、金型設計の際は、担当者と綿密に調整を行います。

(写真左)車両台車  (写真右)スクリュー

中村さんの自分で
すごいと思うことは?

すごいというか、一般の製品の展開には、プログラムを作っているので早く安定した展開ができます。曲率の大きい皿押しの展開でも、大きさや板厚、公差等にもよりますが、余長の付けない仕上がり展開ができることです。主に、鏡板のクラウン部のライニングやパッドのようなものです。

モニュメント

「KOBE鉄人28号はやりがいがありましたね!」
中村佳弘