創業者 林泰俊

目標のないところに進歩はない

"目標のないところに進歩はない"これは林泰俊の座右の銘です。これほど端的に林泰俊の経営思想を表現したものはないでしょう。世の中の流れをいち早く読み取り、更にその先を目標に掲げて打ち出した経営計画は、長期経営計画、アタック25・50、短期経営計画、毎年の重点目標、海外進出計画など数えあげればキリがありません。林泰俊の究極の目標は社是の実現です。そのために、"P・D・C・A"を常に回す経営手法を、ひとときも止めることはありませんでした。
幼少の頃から社会に出て、様々な苦悩と喜びの体験を通じて築かれた経営思想と経営理念は、決して朽ちることなく、明日に挑戦する次代の者たちに脈々と受け継がれて行くのです。

人に恵まれる幸せ

林泰俊は言います。

「私がいままで、やってこられたのは、人に恵まれた。この一点に尽きる。私を支えてくれた歴代の役員や社員をはじめ、お客様やお取引先の方々のお陰である。私は、それらの人々を尊敬し、敬愛する。」

人間ひとりの力はたかが知れています。自分が持っていない力は持っている人に協力と支援をお願いし、感謝の念を忘れない。この謙虚さこそ林泰俊の真骨頂だと言えます。

社是の精神

社是に唄う経営方針と経営信条は、林泰俊の精神的基盤である「人間尊重の精神」「平等の精神」「博愛の精神」が集約されたものです。社是が制定された昭和40年に、林泰俊が発表したその趣旨は小冊子にまとめられ、全社員に配布されました。

社是 執務中の林泰俊
社是とは何か
1. 創業者である林社長の経営哲学であり、経営していくための基本的な考え方を示したものである。
2. 経営はこうありたいと言う林社長の目標である。
3. この経営思想は、林社長の人生観であり、こうあるべきであるという信念でもある。
社是の精神とは
1. 人を大切にするという人間尊重の精神である。
2. 立場や能力の違いはあるとしても、人はすべて平等であるという平等の精神である。
3. ここで働く者は、すべて幸せで悔いのない人生を送ってもらいたいという、博愛の精神である。
経営方針
人間にとって、自分自身の最大の幸福はまず健康であると社内報にも書きましたが、しあわせというものをどうつかんで行くのかというのが第一番にかかげてあります。
会社、経営者も、従業員、社員も、資本家も、労働者も、ひとつになって、しあわせになろうというのです。
憲法には、日本の国民全体が協力し合って皆がしあわせになるということがうたわれていますが、北海鉄工所においてもまず、これを基本方針とします。 そのなかで、社員という言葉を第一番目にもってきています。
他の諸会社の社是の中で世界一の製品を作ろうとか、世界一の会社になろうというのを見かけますが、当北海鉄工所の社是はまず、社員がしあわせになろうとしています。会社を経営して行く上で、人、金、物、という三本の柱が必要ですが、中でも人というのがまず一番重要であるという意味で、一番先にもってきています。

昭和40年に発表された「社是について」より抜粋

先見性と勇断の経営

俊建設中の6000トンプレス

経営の舵取りには、トップが持つ未来を見通す先見性は欠かせません。当社の歴史は林泰俊の先見性によって、刻まれてきたといっても過言ではありません。零細な溶接業から製缶業へ、そして、それらをすべて捨て去った鏡板専門メーカーへの一大転機、さらに今日の北海グループを築くに至るまでには、時代の変化を予見し、経営の近代化をはかろうとするさまざまな勇断がありました。

【大きな勇断】
量産を可能にする製品規格化
大容量貯蔵時代への対応
突貫工事による工場集約劇
分社政策の推進と北海グループ構築
長期経営計画アタック25・50
TQC導入宣言
生産設備の自動化・省人化
世界への飛躍 中日合弁企業設立

これらの勇断は林泰俊のその時代での先見性によるもので、その一つ一つが北海グループの骨格を作り、現在に至っているのです。

管理職は経営者の分身

  • 管理職は経営者の分身にならなければならない
  • 管理職は腹心の部下をつくらなければならない
  • 管理職は部下を納得させ得る話術(説得力)を養わなければならない

これらのことは、管理職に対する林泰俊の口癖でした。林泰俊は「経営とは、時代の変化に対応することである。」と看破します。時代の変化、経営環境の変化を分析、先見し経営の基本方針を決定するのが社長であり、指示された目標を達成するための具体的な活動をなすのが管理職であるのです。 かつて林泰俊は、北海グループの管理職合同研修会において、下記のことが記された「腹心の部下づくり」を配布し説明を加えました。

  • 腹心の部下とは
  • 前提になること ーー相互信頼関係を築く
  • 部下を心服させるだけの実力をつける
  • 事をなす本当の力量(実力)を持つ
  • 寛にして厳であること
  • 人を納得させ得る話術、説得力をつける

北海グループが"明日に挑戦"できるには、現代及び次代の管理職が、いかに経営者の分身としての役割を果たし、強靭で柔軟な組織を構築できるかにかかっていることを強く自覚しなければならないとしています。

林泰俊という人

生涯現役を貫いた林泰俊。常に社員のことを考え、出てきた結果に対する責任はすべて自分が請け負うという、強い信念を持った人でした。その卓越したリーダーシップと判断能力から信頼も厚く、たくさんの人から慕われていました。"鏡板"専門メーカーへの一大転換。幾多の困難を乗り越えながら、創業70周年の大きな節目を迎えられたのは、"人"を大切にしてきた経営方針があったからこそです。
平成28年6月10日、93歳をもって永眠しましたが、林泰俊の創業精神は、今日の北海グループの人たちにしっかりと受け継がれています。

余枝を楽しむ林泰俊
YHC派遣者のホテルで
林泰俊
  • 大正11年12月14日誕生
  • 昭和21年4月28日林溶接工業所 創業
  • 昭和30年4月株式会社北海鉄工所へ改組
    代表取締役社長就任
  • 昭和35年2月株式会社北海工業所 設立
  • 昭和45年9月株式会社関西ステンレスセンター 創立
  • 昭和47年12月株式会社北海 設立
  • 昭和52年3月株式会社北海製作所 設立
  • 昭和56年11月株式会社関西ステンレスセンター 社長就任
  • 昭和61年1月日本ボイラー・圧力容器工業組合 理事就任
  • 昭和61年7月東京都鉄工溶接事業協同組合 理事長就任
  • 昭和62年5月社団法人日本鏡板工業会 会長就任
  • 平成6年2月宜興北海封頭有限公司 設立
    董事長兼総経理就任
  • 平成7年10月中国鍛協封頭委員会 首席栄誉理事就任
  • 平成15年3月ホールディングカンパニー
    株式会社ホッカイ 設立
  • 平成28年5月株式会社北海鉄工所 代表取締役会長就任
  • 平成28年6月10日永眠(93歳)